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メール配信問題を解決せよ


プロジェクトK

メール配信問題を解決せよ 〜メール高速配信システム「アクセルメール」の軌跡〜

2005年9月1日17時16分、KLabの社内メーリングリストで一通のメールが送られた。
発信者はKLabの一技術者である馬場。普段のメールとは少し違う、目を引くタイトル。このメールが、KLabの一大プロジェクトの産声だった…。

これは、一人の社員の思い付きから始まった、KLabのプロジェクト秘話である。

 

「超高速メール配信システムできました」

システムの開発をするため、パソコンに向かう馬場
一プログラマとしてのアプリ開発から、
入社3年目にしてすでに経営会議のメンバー
である馬場。
「技術のKLab」を象徴する存在

話は数カ月前に遡る。

2005年某日。オペレーション開発部、入社3年目の馬場功淳(28)は福岡ソフトウェアセンターの一室にいた。大学院生時代からアルバイトとしてKLabで働いている馬場。任される仕事も日に日に大きくなっていた。
そんな馬場が頭を悩ませていたのは、KLabが発行するメールマガジンの配信業務だ。数多くの携帯サイト運営を手掛けるKLabでは、毎週のようにメルマガ配信を行っている。携帯メールの普及とともにサービスとして定着したメルマガ配信。一般にはあまり知られていないが、意外にも過酷な作業なのである。メールの送信中にエラーが出ていないかこまめにチェックするという業務にも神経を使うのだが、何より配信時間が長かった。仮に一つのメールを10万通送るとすると、5〜6時間はかかってしまうのが当たり前の作業である。馬場は常々思っていた。

「もっと早く配信できるシステムがあったら楽なのに…」

そんな折、取締役の上山康博(44)に声をかけられた。

「そんなに大変なら、自分達で作ればええやん。技術のKLabと言われているのになんででけへんの?」

自分ならできると信じて言ってくれた上司の優しさ、技術者としてのプライド。
それらが馬場のエンジニア魂に火をつけた。

「絶対、作ってやる。」そう決心したのである。

しかし、さまざまな開発に携わっていた馬場には新たなシステムを構築する余裕はなかった。 馬場は各種コンテンツやポータルサイトの運用・開発のマネージメント、そして組織の運営などに多くの時間を費やしている。
それでも馬場は諦めなかった。標準労働時間の10 %以内であれば、好きなことに時間を費やすことができるどぶろく制度も活用し、なんと数カ月のあいだに試作版を作り上げたのである。
動作チェックでは、10万通のメールをわずか10分で配信できる性能を示した。従来と比較すると、なんと約120倍の速度。本人もびっくりするほどの飛躍的な性能アップである。
あとは社内で認めてもらい、プロジェクトを立ち上げて導入するだけだ。そこで、エンジニアでなくても理解でき、なおかつ目に留めてもらえるようなタイトルと内容を考えながら2時間かけてメールを書き上げ、全社員へ送信した。

タイトルは、「超高速メール配信システムできました」。

メールの配信後、すぐに社内からリアクションがあった。そして翌日には導入が決定していた。さらに、この技術をビジネスチャンスにしようというプロジェクトまで動き出した。

システムには、「アクセルメール」という名前がついた。
馬場が密かに抱き続けたエンジニアとしての「こだわり」が形になった瞬間である。

 

「契約取れました!」

アクセルメールのプレゼンをする森田
森田は6月12日に開催されたモバイル・
マーケティング・カンファレンスでアクセル
メールのプレゼンテーションも担当

馬場が作り上げたアクセルメール。プロジェクトとして立ち上がったからには、営業と連携してお客様に売らなければならない。そこで抜擢されたのが、ソリューション事業部、入社2年目の森田昌宏(35)である。NTTコミュニケーションズから転職してきた森田は、KLabの新規プロジェクトを推し進めるべく、営業のプロとして働いていた。

森田も、アクセルメールに興味を示し、プロジェクト開始当初からメンバー入りしていた。社内で実際に使用し、いいモノだという確信は森田にもあった。

しかし、プロジェクトが立ち上がってから、森田はこれまでの仕事との違いが多いことに気づく。 これまで森田が関わっていたプロジェクトは、受注を受けてから製品を収めるという受託形式のビジネスだった。 ところがアクセルメールは、価格・性能・マーケティング・ライセンス・売り方などを独自に決め、展開していかなければならないプロジェクトである。何より受託と大きく違うのは、多くの会社へ売らなければ利益が生まれない。このようなビジネスは、KLabとしてもあまり経験のないことだったのである。

まず取り組んだのは、幅広くアクセルメールを知ってもらうために需要がありそうな法人へのテレアポだった。その数、なんと373社。そのうちアポが取れたのは75社。森田を中心として結束したアクセルメールチームが、営業・技術者問わず手当たり次第に一社一社営業へと回った。
しかし、一件…また一件と断られていく。性能や価格条件などは申し分ないはずなのだが、メール配信が速くなることにどれだけの価値があるのかを理解し、導入に踏み切る会社がなかなかあらわれない。
しかし、2005年も終わろうとしていた12月末。営業から戻った森田の声が仕切りのない社内のフロア中へと響いた。

「契約取れました!」

 

進化していくアクセルメール、そして導入へ

最初の導入先が決まり、納品のための調整作業が始まった。 初めての導入ということもあってか、トラブルも発生。元々クライアントが使っていたメール配信システムとアクセルメールのつなぎ込みが上手くいかず、性能が出ない、エラーメールの処理が上手くいかないという問題が起きる。
しかし、元のシステムがダブルクリック社製であることを知り、ダブルクリック社のエンジニアと協力して問題を解決した。のちにこの件は、ダブルクリック社との提携に発展する。KLabの持つ高速配信と、ダブルクリックが持つユーザインターフェースやレポート機能を共有し合うことによって、アクセルメールはより高性能・高機能なメール配信システムに進化したのである。
その後もクライアントからの要望やトラブルに応じて修正を重ねる日々が続く。だが、エンジニアとうまく連携しながらクライアントと交渉し、1カ月かけてようやく納品までたどりつくことができたのだった。

そして、忘れられないのがライブドア社との提携である。ライブドアは当時「メルエモン」というASP型のメール配信サービスを行っていたが、やはりメールの配信時間で頭を悩ませていた。そこで堀江貴文社長(当時)と親交のあったKLab社長真田が同行し、交渉に行くことになった。

しかし面会の前日、ライブドアに地検の強制捜査が入ってしまう。
のちにライブドア事件と呼ばれることとなる騒動であった。

が、ライブドア側は難しい時期にもかかわらずアクセルメールの導入業務を中断することはなかった。堀江氏自らが出迎えてくれ、交渉が開始された。ライブドア側も、アクセルメールに共感してくれたのである。
その時のエピソードは、真田社長のブログにも綴られている。

こうして困難を乗り越えたアクセルメールのプロジェクトは、受注数も順調に増えていった。今までメール配信に取られていた時間を有効活用できるようになるだけでなく、リアルタイムなメール配信ができることで新たなビジネスチャンスを生むと、業界内外からも注目されるようになった。

 

次のこだわりへ

アクセルメールチームのメンバー
(左から)片貝恵・東郷浩之・石川輝・
田中知佳・馬場功淳・森田昌宏

アクセルメールプロジェクトは、一人の社員の思いつきやこだわりが形になったプロジェクトという意味で最もベンチャーらしい、KLabらしいプロジェクトであった。
現在、馬場は統括という立場に昇格し、プロジェクト全体を見渡している。そんな中でもアクセルメールに満足せず、次のシステムを考える毎日である。一方、森田はアクセルメールのターゲットの幅広さを生かし、官公庁などへ販売網を広げるべく営業に回っている。

さあ、彼らは次にどんな「こだわり」を見せてくれるのだろうか。

 
 

(インタビュー内容、所属部署、年齢等は2006年10月時点のもので、現状と異なる可能性があります。)

 
 

内定者から見て

以上、新卒内定者の立場としてアクセルメールについて取材を行った。取材の中で気付いたのは、社員の方がとても活き活きと仕事を行っていると感じたことである。KLabはベンチャー企業だけあって、社員一人一人に対して創意工夫を求める。その分苦労する面もあるが、自分のアイデアや行動が結果にダイレクトに結びつくと思った。このようなスタイルを持つKLabだからこそ、次々に新しい技術やアイデアが生まれてくるのだろう。
また、先輩社員は忙しい中に何度もお話を伺っても丁寧な対応で、社内の風通しのよさが体感できた。社員一人一人が自分の考えやアイデアをぶつけ合えるような環境で仕事がしたいと思っていた私達には、その理想が裏切られることのない場だということが確認できて安心した。
内定者の中にはすでにインターン生として働いている者もいる。インターン開始1週間で営業同行に連れて行ってもらうなど、さまざまなものを吸収する場があり、成長するスピードが速いことを実感している。このような環境を負担と感じるのではなく、チャンスと捉え飛躍していきたい。同じような思いを抱いた人には、是非KLabの門を叩いてみてもらいたい。


このページを作成した新卒内定者

内定者の長野泰和 内定者の田中知佳 内定者の鈴木大輔
長野 泰和 田中 知佳 鈴木 大輔
 

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